今日はじっと空を睨んでましたが……。
幸いにして、依然ヤツらが降下してくる気配はありません。
雨は降ってるけど。
つか、永遠に降ってくるな、こんちくしょー。
こんなネタ(↑)に続けて書くのも各方面に対して申し訳ないのですが、「月とライカと吸血姫」のアメリカ編、3巻、4巻読みました。
まずおどろいたのは、宇宙開発の話のはずなのに、結局この2冊の間にはロケットが出てこなかった。
宇宙開発にとってロケットは、海面から覗く氷山のほんの一角という主張はわかるし、納得します。
でも、内容も宇宙開発じゃない気が……。
アニメで手法、というか、この話のルールがわかった気がしますが、大きな嘘を一つか二つついて、あとは忠実に史実をなぞるというのがこの作品なのですよね。
ネットの評で、綿密な取材がその背景にあるというのも見た気がしますが、1、2巻のボストーク計画編も、これネタだよね……と思って調べたら史実だったというのがあって結構ビビりましたが。
イリナの打ち上げ時に、イリナのヘルメットに、地上に戻った彼女を見つけた人がびっくりしないようにある文字を書き込む話とかね。
あと、あの立ち小便の話はかなり有名みたいですが、Kは知らなかったです。
……で、アメリカ編、というか、正式には王国編を描く3、4巻ですが……。
3巻は、人種差別の話だったよ……重い……。
あと、これもKはどっかで聞いた気はするのだけどはっきり知らなかった、弾道計算にまつわるロケットガールの話ね。
コンピューターのACEは、史実にあるENIACのコトだと思う。
人種差別の様子は壮絶で、冒頭でアメリカ編のヒロインのカイエのお母さんがあっさり人間に撃ち殺されるところから始まり、彼女らダンピールが、辛うじてコンピューターのオペレーターという技能を盾にして差別を生き残ってきた話が語られて……ってカンジ。
3巻最後は、どうもそこの問題解決のところだけ、ちょっとファンタジーなんだけど、まあ、そうしないとただ悲惨なだけのラノベでも何でもない社会派小説になっちゃうからねえ。
で、このあと4巻はどうなるのかと思ったら……。
キューバ危機の話だった……。
これも、ロケット開発とミサイル開発が切っても切れないモノで、当時の宇宙開発がソ連とアメリカの軍拡競争の一部だったということなんだと思うけど、4巻からは、ソ連編、もとい、共和国編の主人公、イリナとレフも巻き込んで、危機の陰気な緊張感が描かれる。
なんだよ、このラノベは……というカンジ。
スゴいよ。
次の5巻も、史実に基づいた宇宙開発の影の部分が描かれるらしいので、もう少し、いくつか大きな嘘をついた上でホントのコトを書く流れが続くみたい。
一方、この話、今、最新刊では月編が盛り上がってるけど、そこはもちろん、もう史実ではないワケで、この「月とライカと吸血姫」の史実からの分岐は、6巻以降から展開されるらしい。
それでも、4巻の終わりに、明確に歴史から逸脱するエピソードが2行だけ書かれてた。
ケネディ大統領の暗殺が失敗すること。
ケネディ大統領の役どころは、話ではサンダンシア女王が引き受けているので、完全に同一人物というわけではないと思いますけど、歴史からの分岐がこんなエピソードから始まってるところがなんかいいなあと思いました。