「変人のサラダボウル」、現状で最後の1巻の6巻をとうとう読む。
えっ? となった展開とか。
カントクさんのあとがきだと、当初から予定されたらしいが。
でも、それよりも、なんか重い。
前巻から、Kには重く感じられますよ。
もう、ライトノベルじゃなくて、ヘビィノベル。
小説の中で、話題の振れ幅が大きいというのもあるけれど。
一つ一つのエピソードは軽いのかもしれないけど、群像劇が人の人生を、不条理も含めて描いているカンジで、でもって、ナマな人の人生って、生々しいんだよなあ。
特に、サラとリヴィアの二人の生き方がいつの間にか大きく分かたれたというか。
対照的に描かれてるのもね。
どうしてここまで大きく分かれたのか。
どこかでまた交差することもあるのかもしれないけど。
リヴィアが、どうしてこうなったか振り返って、結局自分の選択か……と気づくシーンとか、チラッとさりげなく書かれてるけど、めっちゃ重いんだよ。
つか、サラって、ああいうノリでもしっかり分別つけてるというか、節度とセルフコントロールとしっかりとした信念を持って生きてるけれど、一方でリヴィアさんって享楽的なんだよなあ。
だから、リヴィアさんはいろんな人を惹きつけてるんだと思うけど。
あと、前巻から目立ち始めたエロも、なんかえっちぃ、というよりも何とも生々しい。
コメディに書かれてるけど、なんか話の全体がぐっと胃に溜まるというか、重く響くというか。
……で、ふと思ったのだけど、平坂読さんって、これが最後のラノベとあとがきで書かれてたけど、もしかして、もう死んじゃうってことないよね。
Kの知り合いで、ガンで若いうちに死んじゃった人がいるんだけど、その人、本当に倒れる直前までガンだとか周りに言ってなくて、Kも知らなくて、なんか妙に達観したこと言い始めるから、「おまえ、なに言ってるんだよ!」とかツッコんだりしてたら、その後、すぐに倒れてあっという間に帰らぬ人となってしまった。
なんか、そんな雰囲気を感じてしまうんだよなあ。
……とかいって、7巻でまた新しい展開があるみたいなので、そのままなんちゃって的におちゃらけて真性コメディ路線に復帰したりして、リヴィアさんもまたホームレスに戻ったりするかもしれませんが。
……あ、物語を堪能し終わって、なにも手につかなくなったのは、本当に久しぶり。