「きゃんでぃ亭」のKのブログ

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人生の撤退戦、あるいは、「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」のwikiには項目に重大なネタバレがあるので、これから観る人は絶対にそのページに行ってはいけません

ちょっと前からなんか夢でも現実世界の仕事をしているようになってきたので、ヤバいと思い、この週末は完全に休むことにしました。

特に、先週は、寝坊したり、会議の設定を間違えたり、頼まれてた仕事をすっぽかしたりと、ミスが続いたのもあるし。

で、今日は、映画を観に行く。

インディ・ジョーンズ」の新作。

なにか興行的に苦戦してるときいたのもあるし。

とはいえ、実際に劇場に足を運んだら、そこそこ混んでたので、そこまでメチャクチャ売れてないというコトはない気もしましたが。

いや~、面白かったね!

ナチスがいて、ヒロインがいて、少年がいて、仲間がいて、列車が走って、飛行機が墜落して、カーチェイスして、迷宮の謎解きがあって、超常現象があって、笑って、ハラハラして、泣ける、「インディ・ジョーンズ」のすべてがしっかり詰まってました。

作品としての質も高い。

中身は何を書いてもネタバレになるからあまりなにも言えないけど、ストーリーの作り方が秀逸。

ええっ! おおっ! わぁっ! ……と目も心も安まる暇が無い。

2.5時間超えの大作なのに、全くダレるところもなく、始まりから終わりまで画面から目が離せなかった画と話の作り込みはさすが。

途中、涙出てきたし、最後はじーんとしました。

これで売れないとはいかなるコトか。

まあ、長いからかな。

あと、なんというか、コレ、人生の終わりの物語なんだよね。

もちろんハデなエンタメなんだけど。

人は、誰でも、生きてればいろんな冒険をしてきて、いろんな活躍をしてきて……そして、老いて、多分、死ぬ。

あのジョーンズ教授も、人類が月に到達した時代に講義は学生のウケも悪くて、そのまま、定年退職しちゃう今では偏屈老人。

身体はあちこち痛むポンコツだけど。

でも、歳取ってそうなっちゃうのが人間なんだよねえ。

人生の終わりは黄昏感があって、世間からも去りゆく人と見られて、もう終わりに向かうだけなのかと思うけど、でも、映画の中でインディ教授は、まだまだ冒険に巻き込まれる。

冒険というか、人生が終わっていくときの、それまで生きてきた人生のすべてから引きずってきた全部の整理なんだよね。

アンティキティラも、ウォンバットも、ナチスも、サラーさんも。

いわば、人生の撤退戦。

そして、この映画を観ると、そういう自分の人生の撤退戦というのも、若い頃のバリバリの冒険に勝るとも劣らず、悪いものではなく、それなりにハラハラドキドキして、得られるモノもある……と思わせてくれる。

特に、過去の自分を受け入れて、この撤退戦を正面から引き受けたときにはね。

人生の後半にさしかかった人たちに対して、そういうささやかな励ましのメッセージを送ってくれるのがこの映画のような気がして、まあ、逆に言うと、それがこの映画があんまり興行的に成功してない理由かなとも思いましたわ。

ピンとこなかった人は、会社を定年退職した頃にまた観るといいと思いますよ。

 

……にしても、Wikipediaは、相変わらず、ネタバレ危険だなあ……。

 

映画を見終わった後は、ノンビリ、そば屋でビール。

あと、家に帰って、録り溜めたアニメも観る。

「アンデッドガール・マーダーファルス」とかよかった。